北アフリカにいたころ、バカンス中は義理の家族の甥っ子姪っ子がしょっちゅう遊びに来ていました。多い時は、一軒家に大人と子どもが総勢20名いたことも。
ホストの義理の母は、家やご飯の準備やら、子供たちのお世話やら、親族との語り合いで連日大忙し。大人&子供たちがビーチに行って留守の間、ささっと自分の用事を片付けていました。
そんなとき、彼女がよく言っていたのがこれ。↓
"Quand le chat n'est pas là, les souris dansent."
「猫がいない間に、ネズミたちはダンスをする」
「鬼のいぬ間の洗濯」のフランス語版ですが、これを言いながら、ネズミの真似をして踊る母はとてもお茶目さんでした。
私が「日本にも同じ諺あるよ!猫じゃなくて鬼だよ。その間に洗濯するんだよ」というと、「なんで洗濯??」と不思議な顔をされたのがよい思い出です。
私のフランス語は彼女譲りで、毎日シャワーのように聞いていたおかげで、耳を大分鍛えてもらいました。食事のたびに、テーブルで言い回しを添削してもらったのも、ありがたい環境だったと思います。
彼女はジャーナリストですが、子育てをしながら、結婚式場やハマム(アラブ版銭湯)等を経営していたようです。起業家でもあった母に、ビジネスの話をすることはあまりなかったですが、今となっては聞いておけばよかったなぁと思います。
アラブの肝っ玉母ちゃんですが、とてもエレガントで、今でも憧れの女性の一人です。